連載回顧録23 能登島の玉砕 何じゃこりゃ!

2014年05月20日 20:18

前回、大きいのの気配を感じつつも納得と不満が交錯するこの中途半端なモヤモヤ感を吹き飛ばすべく、今回も同じポイントに釣行したのであります。が、結論から申し上げますと黒鯛ちゃんはリリースサイズも含めて全くの不発。あぁ、あ~ぁ、、、、ボーズ喰らっちゃいましたんであります。

 

でもね、今回は釣れなかったんだけどね、この1日が凄く面白い!自然観察の重要な価値のある日になったんですよ!

 

まずは朝から約1時間、このところおきまり(?)の天然イルカショー!最短で自分から25m、遠くても多分100m以内で繰り広げられるイルカチームの狩猟シーンの数々。これはねぇホント、マジで観る価値有り過ぎですわ。群れのメンバーが交代で小魚たちを追い詰める係、捕食する係がちゃんと出来てて、賢いんだよねー!って感心しちゃうんですよ。観ててちゃんと考えててしかもそれがちゃんと仲間内に通達されてるのが解るんですね。アメフトみたいに次は何番のフォーメーションで攻めますから抜かりなくね!って、リーダーが出したサインしっかり全員見てる的な。。。。むしろ人間よりスゴイ!

開き直ってズーッと観察しちゃいましたよ。勿論、オニギリとお茶を傍らにですよぉ。ポップコーンが合うかも。

 

で、やっとイルカさん達も、イルカ居ないか(汗)解らない状況となり、釣り再開。これも前回と同じ様にグレちゃん乱舞にウミタナゴの猛襲、それにプラスしてサヨリ達のよさこいダンシング。あぁ、スンゲぇな(泣)。。。。。

でもここでまたさらなるスペクタルなドラマが勃発したんですよ!

オイラ撒き餌入れる → 魚が乱舞する → 小魚達一斉に逃げ惑う!!!!!

そうなんです!この日どうゆう訳かフクラギ(関西で言うハマチ、関東で言うイナダ)の群れが頻繁に回遊してまして、そのコマセに湧いた魚達の集団にガンガン挑んで来るんですよ!大運動会での騎馬戦?戦国時代の乱?

いやはやヽ〔゚Д゚〕丿スゴイ自然界の「食うか食われるか」の凄まじさを延々と観察できました。ま、そうなるとオイラのコマセはその観察の為に撒かれていると言っても過言ではなくてですね、バッカンの中身はみるみるうちに少なくなって行ったんでありました。(笑)だってこんな時、小魚にしか目が行ってないフィッシュイーターはエサには全く興味を示さないんで、オイラの釣りには構ってもらえないんですよ、本当にルアーも持って来たら良かったなぁって後悔ばかりでしたけどね。

 

そうこうしてるうちにクロダイには巡り会えないまま、コマセは最後の杓に1杯とあいなりまして、ラスト1投となってしまいました。「諦めるな!最後の最後にきっと、ドンデン返しは起こる!」そう言い聞かせて投入。。。。。

あまりの餌盗りの猛攻をかわす為にサシエはサナギに変えていたんですが、投入して直後、1羽のカモメが突然に急降下してきてオイラのウキの前方にタッチダウンしたかと思いきや、ウキはスパっと消し込まれ!その後シュイーンと空中に舞い上がり?????

あらーっ!何だ~~~~!?とそのウキのさらに前方には変わった飛び方をするカモメが1羽。。。。。!!!!

やっちゃいました、長い釣り人生の中で5回目となるカモメ釣り!いやぁ、困った。

糸を切ってしまうのはあまりにも簡単ですが、やっぱカモメのことを思うとちゃんと針を外して逃がしてあげなきゃいけませんのでね、かなり慎重なやりとりでしたよ。思い返せば過去の4回もそんな使命でちゃんと取り込んで、しっかり針を外しての放鳥でありました。今回も勿論そうしなきゃいけません。

掛かった獲物への対応はいつも当たり前に海面下に目をこらしながらするんですが、こうゆう時は上空を見ながらのやり取りですからドッチかと言えば凧揚げ的な感じで超微妙です。

竿はゼロロク、道糸1.5、ハリス0.8、これで翼を広げたら1m以上の凧を上げるんですからね、メッサヤバイ訳なんです。

何とか間合いを詰めてきてどうにかタモで掬える位置にまで来たんですが、カモメも必死なのでなかなか抵抗が厳しい。しかもタモが怖いのでいざ掬うタイミングでは羽を広げて枠に入りません。入った!と思えば枠を足で蹴って逃げますしもう大変であります。

タモを持つ手は既に感覚も腕力も尽きるほど疲労困憊ですし、カモメも疲れているのでしょう、もうあまり飛ぼうともしなくはなったんですがそれでも水に浮かびながらも抵抗し続けます。

もうこんな事を繰り返してても埒があかないので思い切った戦法に出ました。奴が普通に海面を泳ぐ姿になった瞬間、オイラは余力を全て使って、タモを強引にカモメの上からフタをする様に被せたんであります(*゚▽゚*)

これが成功!これを今度は堤防の壁に押し当ててそのままズリズリと引き上げてきて、堤防上に上げた瞬間に再度またフタをしたんですよ、、、、ふぅ、獲ったど====っ!今夜は焼き鳥だぁ!何てことは言わないけど。(*゚▽゚*)

この間約20分、死闘だよ死闘、ホント。針は上の嘴真ん中辺りにしっかり掛かっていましたが、ペンチでスッと外してあげられて良かったです、ほんの少しの出血がありましたが、気にするような事は無さそうでした。良かったぁ(^O^)。

それにしてもスゴイなぁ!って感動したのは、カモメとのやり取りの最中、気付けば数十羽の中間のカモメがオイラの上空を泣き叫びながら旋回飛行するんですよ。マジで「大丈夫かーっ!」 「皆で見守ってるぞ!」 「頑張れー!」って励ましてるんですよきっとね。そういえば思い出したんです、過去のカモメたちとの時もそうでした。それだけ結びつきが強固な生き物なんでしょね、何だか人間はどうなの?って、ちょっと考えさせられちゃいましたよ(´;ω;`)。

 

タモをどけて自由にしてやると、飛び立つ時にはヨタヨタした羽ばたきではありましたが直ぐに調子を取り戻して、仲間たちに無事を知らせるように鳴きながら海の向こうに元気に消えて行きました。でもね、逃がす時にはちゃんと声を掛けてやりましたよ!

「鶴の恩返しは織物だったそうだけど、オイラはそんなもの要らないからな。でも絶対に、黒鯛のおばあちゃん呼んで来てね、次回でいいから!」って。(*^▽^*)

 

クロダイちゃんボーズではありましたが、グレ20~29cm36枚、サヨリ30cm1尾、同22cmクラス多数、海タナゴ20~25cm10尾、フグ20~25cm10尾、ウグイ30~45cm8尾、アジ20~25cm20尾程、リリースに超忙しい割には心癒される1日となりました!