連載回顧録20 ちょっと待ったぁ!オールフリーを過信すると痛いぞ!

2014年05月05日 21:28

何と!この回顧録シリーズのご愛読者様からご質問を頂戴しましたのでそのアンサーです。

ただし、オイラなりの意見ですので正解かどうかはさて置き、いつも考えているそのままの状況でのお話とさせて頂きますので、あしからずって所でご勘弁下さい。

 

「オールフリーがもてはやされる昨今ですが、本当にそれが万能なのか悩みます。本当のところはどうお考えでしょうか?」

 

喰い渋り、擦れっ枯らし対策の一つとしてこの釣り方が生まれ、進化してきたのは言うまでもありません。

もともとの経緯ですが、魚がサシエを咥えてから食い込むまで、いかに違和感を無くすかって事から始まりました。それを深めて行くと、2段ウキ仕掛けのようにシラハエウキの様なごく小さな当たりウキを円錐ウキよりも先行させる事で、そこに出るごく小さな当たりを捉えて渋い当たりをなるべく大きく出させるようになりました。

結局は円錐ウキの感度の限界や水中での抵抗をどうやってカバーするかがテーマだったんです。その頃にはまだ0ウキやら00ウキが有りませんでしたからね。

でも2段ウキ仕掛けには絡みやすいとか投入後の仕掛け操作がやりにくいとかの問題もあって、今度はそれを解決する為に0や00のウキが登場してきました。絡みの元になっていた当たりウキを外したかったんですね、でもこの頃はそんな0ウキもまだ固定して使うのが一般的だったんです。

それでもまた暫くすると思うように食い込んでくれなくなってしまい、固定にしないで使う方法が考えられるようになったんです。丁度この頃シマノで有名になった高橋哲也さんが、彼のお父様の作った天狗ウキでグレの当時の日本記録を上げて名声を欲しいままにしたのですが(あれは環付きウキでしたが)、ウキはただアタリを取る為だけの道具ではなくて、マキエサと同調しながら沈んで流されていくものだっていう画期的な考えだったんです。つまり、サシエがコマセに巻き込まれながら同じ速度で沈みながらも流れに乗って行く、そうやってサシエを自然に送り込んで行くための道具なんだ!という素晴らしい発想だったんです。

そうゆうのも加味されてスルスル仕掛けが登場しました。ウキ止めも無いから、魚が引いた時にウキの水中抵抗もかからず、道糸がスルスルと出て食い込む、そうゆう事でした。

さらに、00のウキが出来てからはそのウキもろともマキエと同じ速度で沈んで行くようにしたんです。しかも仕掛けが馴染んで、サシエが潮流に引っ張られるとそこで初めて沈んで行くようにまで完成度を上げちゃった訳ですよ。すごいね。

 

でも、それは完璧では無かったんです。チョチョっと吸い込むような極小の当たりまでは流石に取り辛かったんですよ。そうなるとやっぱ固定にしたい。でもサシエの自然さを演出するにはハリスが長くないと難しい。それだと今度はハリスが3、4ヒロと長くなって固定にしたままだと取り込めないんですよね。ウキが竿先に来るまで巻いてもまだ魚は海中に居るんですから。そこで生まれてきたのが「ナルホド仕掛け」なるものでした。これなら取り込める(*゚▽゚*)。

そうゆう様々な過程があって、完全遊動も小技の組み合わせによるバリエーションがいろいろ出てきたんです。

でもね、そこが落とし穴。

それを体得したとしてもそれだけで全ての条件をクリアするには到底至らないんです。

確かに自然にエサを送り込むのはすごくすごく大切なんですが、推理が伴わずしてやみくもにそうしていては単純に神頼み的な釣りになってしまうって事なんです。あわ良くば喰ってくれ!的なね。

 

勘違いしないで下さいね、オイラ、オールフリーはめっさ多用しますので全然否定してる訳じゃないんです。むしろ好き!

でも固定ウキも、半遊動も、ウキ止めも多用しますし、ハリスの長さだって1mのときも5mのときもあります。要するに、細かい微妙な思惑によって既成概念に左右されない攻め方を選べる柔軟さが最も大切だと思っています。

 

オールフリー銀座の釣り場で誰一人釣れていない時に、ハリス2mの固定ウキ仕掛けで独壇場なんて事も何度かありましたし、勿論一人オールフリーでバコバコなんて事も何度もありました。推理が当たればそれに一番合った攻め方が存在するんです。そこをオイラは一番面白いって感じてますよ。

なのでお勧めします、決めてかからない釣り。オイラが決めているのは、ハリをチヌ5号以下に落とさない事だけです。

それだけが唯一のポリシーかな。(^O^)