連載回顧録17 自殺する魚!

2014年04月07日 21:17

もうかなり昔の話ではありますが、、、、オイラが主催していた釣り倶楽部の例会で伊豆の神津島に渡った時の事であります。勿論、この日のターゲットはグレだったんでありますが(笑)、朝一番から誰の竿も曲がりません。確か秋だったのでグレはおろか他魚1匹も釣れないなんて考えられない状況に、同じ磯に上がった4人のメンバーは全員、頭を抱えていたのであります。まぁ、千歩譲って、何にも釣れなくても餌盗りとかの姿を見る位は当たり前な筈なんですが、それさへも全然まったくの状況でした。

「なぁ、水温は何度くらいあった?」

「朝一番に上がってすぐに測った時で24度ありましたよ。」

「だよなぁ、ひょっとして10度割ってるのかと思っちゃう位だよなぁ、こんなに何にも居ないとさぁ。」

「ですよね~~~~っ、こんな状況今まで1回も経験した事が無いですもん(ToT)、潮も効いてますし濁りとか水潮とか、マイナス要因も全然見受けられませんしね、ひょっとして!、、、、大地震の前兆っ!?、、マジ怖いんですけど!」

「まぁ、潮の影響はマジで一切考えられないんだから、むしろ地震のほうに自信があるオイラ自身!てかっ(爆)。」

「。。。。。。。はぁ、、、、、ですね。」

「何だよぅ、もっと受けてもいいんじゃね?(笑) 3つも重ねるってかなり高難度じゃんかぁ、、、(照)。」

「、、、、、Fu(鼻)、、、、、とてもこの状況では笑えませんって。。。。!!!おっ!来たぜぃ!」

って、もっとこのネタにうんと突っ込んで欲しいオイラに決別するような雄叫びを上げて、Y君が渾身の合わせをガツンと食らわせます!

合わせた途端に竿は究極のカーブを描いて満月にしなりました!「来たかぁ!?」

 

「来ましたっ!、、、、あれ?、、、来てますよね?、、ん、、、根がかりか?」

「棚は?どんだけ?」

「2ヒロの完全フカセですけど。」

「アホか、お前のウキの辺りだと20mはあるぞ、根がかりする訳が無いやん!」

「で、ですよね?でもこれ、、、ほら、しゃくってもしゃくっても、根がかりっぽくないです?」

「おん、そりゃ確かに根がかりだなぁ、、、?、、あれ?でもさぁ、お前の道糸、少しづつ向こうへ移動してってねぇ?」

「あ!、、あ!本当だっ!、、、そう言えばなんかたまに生命反応的な感触があるかもっ!」

そんな会話をしていた矢先です。信じられない光景が目前で否応無しに繰り広げられたのであります!海面がザワザワし始めたと思ったら突然にそのザワザワを打ち破るようにして、無数の1キロクラスの本カツオがばしゃばしゃッ!!!!っと海中から飛び上がり始めたんであります!いやぁ、ものヽ〔゚Д゚〕丿すごいド迫力であります!何百匹、何千匹かは解りませんが、とにかくドエライ数のカツオが空に向かって一斉にジャンプし始めたんですよ!まるで戦艦ヤマトの一斉砲弾射撃みたいに、跳ね上がる水飛沫と壮絶な音とが相まって、今ここで何が起こっているのかさへ理解不能の状況となりました。

グチャグチャの現状の中、その飛び上がるカツオの中からは何匹もが、あろう事か、この磯の上に向かって飛び上がって来る訳です!高く飛んだ奴はオイラ達の足元までハミ上がって来て、岩の上に横たわりながら独特のバイブレーションでピチピチのた打ち回ってる状況です。何なんだコレは!マジどうなってんだ~~っ!そんなこんなで、みるみる磯際はカツオ達の血で洗われ、水の色さへ次第に赤く変化して行きました。。。と、その時です!

 

「うわぁ!会長!、、俺の仕掛けに動くシモリ根が掛かってます!」と、Y君の絶叫する声が響きました。

「は!?言ってる意味が全くわかんねぇんだけど!?」って返しながらよーーーく観ると、「ギョエーッ!(魚影)、そりゃお前シモリや無いわ!超デカイ鮫だわっ!ジョ、ジョーズだぁ!!!!」

そうなんです、体長5mはあろうかというビッグな鮫が掛かっていたんです!しかも口とかではなく胴体に!(笑)。それに気づいて改めて周りを見渡すとコレがまたどうでしょ!同じようなサイズの鮫があっちにもコッチにも、、ウヨウヨしてるではありませんか!数十匹は居たと思いますよこの磯の周りに。

いやぁ、さすがにこの日だけは何があろうと絶対、海に落ちたくない!って思いましたよ。(^O^)

つまり、この大きな鮫の群れがカツオ漁に勤しんでたんでありましょうね。カツオの群れをここまで追い込んで来て、そんでもってパニック状態のカツオが磯に激突して、脳震盪起こしたり死んだ奴を悠々と食してた訳なのでありまするよ。恐るべき自然の摂理だったのであります。

そりゃねぇ、何も釣れん訳です、こんな奴らがウロウロしてたら全部逃げますよ。怖くて磯に飛び込んで来るのも全く不思議じゃぁありませんよね。お陰様でオイラ達は新鮮な本カツオを何十匹もクーラーボックスに収める事が出来た訳ですから、むしろ自然に感謝したのは言うに及びませんがぁ(笑) それもただ拾い集めて。でも鮫達がここを離れるまでは釣りにならんだろうと、それは疑いもせずに自覚しておりましたのでその間はすっかりカツオ漁師にでもなったつもりで黙々と働きましたよ。磯の上をアッチ行ったりコッチ行ったりとね。

 

ちなみにY君がどうやって鮫に掛かった針を処理したかと言いますとね、ははは(^O^)、全くもって、根がかりを切るのと同じ方法でありました!竿ごと真っ直ぐに引いて、糸を切ったんです。奴はノソ~~~ッとしか動かなかったんです。漁とは言え、失神した奴が餌ですから追い込む必要も無かったんでしょう。実に理に叶った手段だったんですね。

1時間ほどしてやっと、鮫達は姿を消していってくれました。ここからやっと今度は自分たちの釣りに専念出来たんでありますが、、、、結果はヤッパ、思わしくなかったんですよ。

 

そうそう!ちなみにまだ生きてるカツオを刺身に捌くとどんな感じだと思います?(笑)

ビックリですよ、身はコリコリで、それこそ締めたての白身のような歯ごたえなんです、しかも色はオレンジ色!厚さ1,5~2センチ程にぶ厚く切っても下が透き通ってるんです!何て言うのかなぁ、、、見た目はオレンジ色の透明なぜりーって感じ。そしてそして!全然美味しくない!(*゚▽゚*) あれはやっぱ釣りたてを氷水でしっかり締めてからじゃないとダメなんですね。もう釣りたては一生食べないと思います(´;ω;`)。

 

さて次回は!オイラの師匠、内田孝一が何と!大会の最中に超余裕をかました思い出の釣りを書こうと思っています。

お楽しみに(笑)。

つづく