連載回顧録14 師匠!黒鯛ってそんな、、、、!

2014年03月30日 19:59

「深ちゃん、今日だけやぞ、黒鯛の夜釣りは。その分貴重な一日だと思ってもらわなかん。」

「え?何でですの?黒鯛釣るの、そんなにイヤなんです?それともオイラと釣るのはもうゴメン的な、、、、?」

「ははは、別に黒鯛釣るのも深ちゃんと釣るのも嫌いな訳じゃないけんど、、、、わざわざ釣れる時間帯に来てまでも釣ろうとは思っとらんのだがね。俺はね、キザに聞こえるかも知れんけどだな、極端に言うと真昼間の黒鯛1枚は夜釣りの黒鯛100匹くらいの価値が有ると思っとるんだわ。だで、本当はいつもみたいに昼間に釣ろうと思ったんだけんど、深ちゃんがどうしても夜釣りするって言い張ったけん、付いてきたんだで。だで今後は夜釣りはせんだろうなと。そうゆう事。」

「え!あ、そうだったんですか?すんません、逆にオイラ初めて黒鯛釣りに釣れてってもらった以来、自分でマグレの年無し釣ったのも全部夜中だったんで全く無抵抗に黒鯛釣りってのは夜するもんだと普通に思ってたんですけど!、、、、、?つか、今まで夜しか狙った事が無い!」

「おぉ、それは深ちゃんの勝手な思い込みだったんだわね。だってチヌのトーナメントとかでもそうでしょう、早くても夜が明けてからの試合開始だがね。そんなもん、夜中に試合なんてせんよぉ(笑)。夜より条件が厳しいとこで腕を競うんでしょう、それが試合ってもんだわ、ははは。でも深ちゃんが夜にするって言うもんで、ここもきっと俺と数釣り勝負したいのかなぁって思ったんだがね。」

「あはっ!つか師匠も普通に数釣りって言い放っちゃってますけどォ、クククッ、今日もそんなに釣れるとか思ってらっしゃいますノォ?(爆)」

「居りゃぁどんだけでも釣れるわさぁ(笑)!黒鯛なんてもんはもともと数釣りの対象魚だがね。だで競技会が有るんでしょうに!はっはっは、釣れんかったとしたら、単純に今日はそこに回って来んかったって事だわさ。」

「ほう!今日もおっしゃいますなぁ!(笑)、オイラなりに言いますけど、そんな数釣れる魚じゃぁありませんって!だってオイラ、1回の釣りで今まで、複数釣った事ないですもん!」

「ダハハハハハハッ!(激)、めっちゃ笑える~っ、、、、腹痛い、、、、ククク、、、あひぃ、、、(爆)、、。深ちゃん、何ぃ、夜に釣りばかりに行っとっても単発の山かね、そりゃぁあまりにもヒドイわぁ!ははははっ!」

「よくもまぁ師匠!立場が上だからってそんなに派手に笑えるもんですなぁ、、、、オイラのジョークでもそこまで笑わんくせに。こんなにマジで笑われちゃったらリアクションさへ浮かびませんけどね。、、、、凹みますって、普通。」

「いやぁ、悪いわるい!、、、あひっ、ククク。ジョークじゃないとこに超ウケるんですけどぉ、、、ヒ、、、(笑)。」

「もういいっす!で、絶対に今日は釣れるんでしょうねぇ?そんなにも馬鹿にするんですから!」

「いやいや、釣れんかも知れんよ、でもたとえ釣れんでもさっき言ったみたいに、今日は居らんかったって堂々と自信もって言えるくらいのもんだから悩まんでも済むがね。」

「う~~ん、何か胡散臭い気がしますけどねぇ。て事はオイラの場合、毎回そこにはせいぜい1匹しか居なかったって事になるんでしょ?そう思うと最善の釣り方ができてたって喜ぶべき事実だって事ですよね~(笑)。」

「あ、それはどうだろ?ちょっと、ん?かなり違うかもね(´∀`*)。」

「ほらぁ、絶対にオイラを認めようとはしないんですって!(泣)」

「その、まぁその何だぁ、余程間違った釣り方をせんかったらって事。理に叶った釣り方しとったら奴ら必ず群れでおるもんで絶対に沢山釣れてくれる筈なんだけど、適当だとそうゆう訳には当然いかんがね。お魚さん達にはそれぞれ習性ってか個性がある訳だがね。しかも命がけで餌を追う訳でしょう、警戒心強いお魚は当然それがハッキリ出るんだわ。でも、いくら警戒心が強くてもだよ、所詮食べんと生きては行かれんもんでどっかで食べる。餌を目の前にしたら当然に食欲も出るでしょ、だで!そこが化かし合いなんだて。向こうさんはこっちの隙をみて習性に則ったアクション起こす訳やし、こっちはやられる振りしながらも逆にその習性を逆手にとって騙し打ちする。そうゆう釣りをしとったら誰でも簡単に沢山釣れるって言いたかっただけだで。ヘマせん限りはね。」

「な~る程な。確かに深いですわ。でもじっくり今のお言葉をお聞きしてますとね、オイラはヘタッピだぁ、理に叶っとらん釣り方だぁ、魚にしてやられとる、、、ってふうにしか聞こえませんでしたけどね。」

「お?何ぃ、そう聞こえた?珍しくちゃんと人の言うこと額面通りに聞いとったんだなぁ!(爆)」

「はいはい、いつも内田さんのおっしゃる事はしっかり肝に刻みながらお聞きしておりますよ。でもまた話が戻りますけど、いつも魚の話になると必ずって位にこの警戒心って単語が登場するじゃないですかぁ、それって実際にはどうゆう現象として俺ら釣り人に関係して来るんでしょうかね?そこが自分でもよく疑問に思う部分なんすけど。。。。」

「深ちゃんさぁ、渓流のヤマメやらアマゴって魚知っとる?」

「はい、勿論です。自分でも何度か釣りに行ってますから。」

「渓流って所は基本的に水の流れって一方通行だがね、川だで当然、上から下に向かって流れとるよね。だで餌も当たり前に上から流れて来るもんだで魚はいつも川上を向いて泳いどって、で、餌が流れて来るとそれに合わせて自分も一回かなり下まで移動して、十分に安全確認した上で喰って来るんだわね。ほいだけどその餌が少しでも不自然な流れ方したり、おかしな感じがしたらソッポ向いてまた上に戻って、何にも無かったように次のエサを待ったりするんだわ。そうゆう警戒心も有るんだ。海はもっと広範囲だし、潮も複雑に変化するでしょう、だで、警戒心っても色んなパターンで起こるんだて。この前のグレ釣りみたいに、仲間達の影に隠れながら様子を伺って喰うのも警戒心の現れだし、岩陰でじっとしてて殆ど動かんと、ただ目の前に来た餌だけを口先だけで確かめるようにしながらモソッと喰うのも警戒心。他の魚たちが我先に争って餌に群がっても、ある程度の距離を保ちながら落ちてる餌のかけらを拾い食いするのもまた、警戒心だわ。魚種によってはそうゆう症状が著しい場合も多い。だでね、適当に攻めとっても、本当は刺し餌に喰って来んだけで周りには沢山寄ってる事だって有るんだけど、結局は当たって来んもんでここには居らんと思ったり。たまに刺し餌が齧られとってもきっとそれは餌盗りの仕業かなんかだって思っとる。本当は黒鯛が齧ったのにね。そうゆう症状が出るって事は完全に黒鯛に見透かされとるって事でしょう。バレバレなんだがね要するに。理に叶っとらん釣りをしてるんだわ、仕掛けが嫌われるってことはね。」

「つぅ事はですよ、どうやったらそうゆう警戒心なるものは解いてやれるんです?簡単に出来るもんなんですかね?」

「出来るさぁ!(・∀・) ここも最初から手を抜かんことよ。ちょっと慣れてくると一番手を抜いてしまう基本事項をしっかりとやってればその時々のヒントや特別情報も海が教えてくれるんだて。」

「出た!師匠恒例の「観察」ってことでしょ?」

「まぁそれもだけど、これはもっと前の段階だわ。夜だで暗くて魚なんか見えんがね。全く見えんからこそ、基本に戻って攻略するの!解るぅ?!」

「いまイチ、よく解んないですけど、、、、じゃ早くおせーて!師匠!」

「おん、解った。じゃぁ準備するかねぇ。基本確認の準備を。」

 

今回は行きの道中でジックリとお話を伺ったのでありますが、基本って、、、一体どうゆうことなんでしょう?そこがどうやら本日の一番のミソらしいんですが。では次回、この実釣編をお送り致しますので是非、お楽しみにぃ!

 

つづく