連載回顧録12 師匠と数釣り

2014年03月27日 16:06

今日は師匠の内田さんと2回目の釣行です。目指すは浜名湖の舞阪堤防であります。

「深ちゃん、今回は数釣り勝負だよ。いかに短時間に沢山のグレを釣るかだでね、グレの状況を見ながらどんどんそれに合った釣り方せんとあかん。観察だよ観察。ちょっとした変化も見逃さんようにして、コマ目に仕掛けを調整してかないかんのだわ。」

「はい。浜名湖はグレがそんなに居るんですか?あんまりグレってイメージが無いんですけど。」

「おるよ~~、数はすっごいおる、湧き上がって来るでね。ほんでもここのグレは皆スレッカラシなの。釣り人が多い釣り場だでね、毎日攻め続けられとるもんで一筋縄では釣らしてもらえんよ。工夫せな( ´▽`) 」

「見えるけど喰ってくれないって感じなんですね?でもそんな釣りにくい所でする位ならもっと釣れる所に行けばいいのにって普通に思っちゃうんですけど。」

「そこがまだ深ちゃんの甘い所だわ。大会とかで予選は秋口が多いでしょう、その頃って数釣りの勝負になるがね。それも渋る奴も釣らんといかんし、総重量で行くなら少しでも大きいのを選んで釣ることも必要なんだわ。そうゆうことも想定するんなら舞阪みたいなとこは練習に持って来いって訳さ。」

「なるほどね~!つか、大きいのを選んで釣るって今おっしゃいましたよね?そんな事出来るんですか?ま、オイラの場合はまず1匹でも掛ける事から始まるんでしょうから関係ないかも知れませんけどね。」

「何言っとるだぁ、対戦相手と同匹数だったとするがね、総重量ルールだったら重い方が勝つんでしょう、大事な事だよ。」

「そっかぁ、そうですよね。今日のテーマは決まったな!内田さんの「選び釣り」の極意を見せてもらうこと!」

「ははは、見とるだけじゃ上手ならんよ!体得せんとね。」

「勿論です!ははは(^O^)。」

舞阪堤の広い駐車場に車を止めて、先端方向に向いて歩き始めました。相変わらず沢山の釣り人で賑わっています。投げ釣りマン、ぶっ込み師、探りマン、前打ち師、フカセ釣り師と楽しみ方もそれぞれ。毎日こんなに釣り人で賑わうのもきっと、魚の濃さが違うんでしょうね。

丁度先端近くに2人が並んで入れそうな場所があってそこでやろうって事になりまして。早速仕掛けの準備に取り掛かったオイラだったんですが、

「オイ!深ちゃん、順番が違うだてや。撒餌さ作りからでしょ!まずはエサを作って、撒いてみて、潮の状況や魚の活性とかを観察せにゃぁ。そんでもって仕掛けを決めるんだがね!」

「あは、そうでしたそうでした、ついつい気がせいてしまって(*´д`*) 」

呆れ顔の師匠を横目でチラチラみながら準備も完了です。師匠も撒餌さを打ち込み始めました。

「潮止まりも近いでそんなに潮も早くないみたいだね。お、ほら深ちゃん、下のほうでもうコッパグレがソワソワし始めた。」

「ホントだぁ!しかもだんだん浮いてきてますね!こりゃ釣れそうだっ!ゲヘヘ。」

「釣れそう?ははは、お手並み拝見だがね。仕掛け作りながらも同じペースで撒餌さ入れんとイカンでね、聞いとる?」

「ええええ、聞いてますとも!今日は何センチキープルールにします?」

「ほだなぁ、ここは23cm位のが圧倒的に多いでね、ちょいハードル上げて25cm以上にしよまい。」

「え~~っ、こんなに魚がおるんですよ!?25なんてバコバコに釣れますって!」

「ほう?ははは、じゃバコバコに釣ってちょ(^O^)。」

 

てな訳で二人同時に釣り開始であります。水面までグレが無数に湧いてます!こりゃぁ1投1匹じゃね?な~んて目尻まで下がっちゃうのを無理やりポーカーフェイスに戻してます。

「よし、いい所に仕掛けが入ったぞ!ウキもビューンってすぐに反応する筈だぁ!」

モゾモゾ、、、、、、ん?今の餌盗りか何か?巻き上げてみると綺麗サッパリとエサが有りません。刺し餌をつけながら師匠を見ると、お!もう掛けてるじゃん!上がって来たのはグレですが手のひらサイズで即リリースです。オイラもまず掛けなきゃねって、再度投入。モゾ、、、モゾ、、、で、上げるとエサが少し齧られた感じ。次も、次も、またまた次も!

それに引き換え師匠はほぼ空振りなしでガンガン掛けまくってます!あぁぁ!何が違うのぉ!????

 

「内田さん!何かちょっと違う!オイラは当たりもハッキリ出んし、餌も盗られ。内田さんとの違いは何!?」

「何だの、さっきまで息巻いとったくせにもう弱音かや(^O^)、ほれ、俺の仕掛けよ~~く見てみ。深ちゃんとどこが違う?」

「あ!ウキが違う!内田ウキのスリム!」

「ほうだよ、なんでこの前あげた俺のウキ使わんの?あれもスリムだでこうゆう時には絶品なんだがね。」

「あは、だって失くすの嫌だもん、、、でも使ってみようっと!」

 

そうなんです。内田ウキのスリム。もう現在では似たようなウキさへ見ることも無くなってしまいましたが、長さは20cm程の中通しタイプのウキでして、直径も現在の円錐ウキの半分位。丁度棒ウキと円錐ウキの間の子みたいな感じです。それでいてウキの最下部には1号位のオモリが装着されてますから遠投も効くし感度もいいしヽ〔゚Д゚〕丿スゴイんです。

そして当たり方がまた面白いんです!スポーーンと突き刺さって行くのもありますし、糸を張ってると寝ウキのようになって、ピコっと立つような当たりやウキ尻の方向がピッと変わる当たり、ユラユラ揺れる当たりなど多種多様な当たり方をするんですよ。しかも師匠のこだわりは着水音。円錐ウキのようにチャポン!って音がしません。シュポッって感じで最小限の音なので魚を驚かせないんですよ。本当に良く考えられたアイテムなのです。

 

そそくさと仕掛け交換も済ませて釣り再開であります。投入して、道糸を張って、、、、、シュポ!超明確な当たりです!合わせて寄せて来ると来ました!グレちゃんであります!う~ん、23cmかぁ、こりゃリリースだね。次も、またその次も、確かにちょっとした当たりも取れるようにはなったんですがいかんせん、20~24cmばかり。そんなときにお師匠様からまたお声がかかります。

「深ちゃん、釣れとるがね!ええ感じに数釣りやぁ。キープは出たの?」

「内田さん!出てないこと知ってて聞いたでしょ!」

「お?解る?( ´▽`)、試合では相手の事もジックリ見とるでねぇ、俺はもう10匹以上キープしとるよ~。」

「マジっすか!え?ちゃんと25cmあるんでしょうね?」

「失礼なやっちゃなぁ(笑)、あったり前だがね、ほれ!」

「げげげ!本当だ!え~~~?同じような所で同じような魚の群れを攻めてるのに何で型がいいの~?」

「朝、言ったでしょう、選んで釣るって。」

「選び方が解らん。」

「何ぃ、少しは考えとるのかと思ったがね(笑)。ちゃんと魚の群れを見て観察しとるかね?」

「してるつもり。」

「それではイカンわぁ、じっくり観察してみ。あの群れの中に時々大きいのがチラチラ見えるでしょう、どうゆう動きしとる?」

「確かに、、、たまに出て来るけど、いつもは見えてないっす。あ、今急に出た!けどまた潜った。。。」

「もっとジックリ見とってごらん。なんかの法則じゃないけんど、パターンに気づけば儲けものだて(*゚▽゚*)。」

「パターン???、、、、、出てくるパターンねぇ、、、」

 

そうなんですよ、観察するって事の意味をこの時には教えられましたね。すごく役に立つ、オイラの釣りの根本に染み込んだ変革の大ヒントになったきっかけだったんです。

さ、それはどんな気づきだったのでありましょうか。それはまた次回に!(((o(*゚▽゚*)o)))

 

つづく