新連載2 クロダイこませ検証考 その2 刺し餌の選択について

2014年09月17日 08:19

前回、その1でもお話しましたが今回は刺し餌についてじっくりと考えてみたいと思います。

クロダイの刺し餌と言っても釣り方や季節によって様々な種類があります。

例えば、カラス貝、アケミ貝、牡蠣などの貝類、岩イソメや青虫、ユムシ等の虫類、カニやエビ、ボケなどの甲殻類、

アミエビやオキアミなどの冷凍餌、コーンやスイカなどの植物餌、さらにサナギやら練り餌、ルアーなどとかなり多彩です。

釣り方もウキフカセ、筏、落とし込みや前打ち、ブッコミ、ルアーなどと様々ですが、どんな釣り方であっても使用する刺し餌に決まりなどは有りません。競技会などでは刺し餌が限定される場合がありますが、普段の皆さんの釣行であればどの釣り方にどの刺し餌を組み合わせても全く問題は有りませんから、そう考えればクロダイ釣りの間口は相当に広がります。

 

実際、ウキフカセ釣りでクロダイ用のソフトワームを刺し餌にして釣れた実績もありますし、魚肉ソーセージや竹輪、豚の脂身、漬物でも喰うときには何気に喰ってきます。ま、そこが雑食の帝王と言われる所以なのでしょが(笑)。だからと言って何種類もの刺し餌を釣行の度に持って行くのは大変ですし、それこそ出費も。活きエサであれば余ったからといって長時間活かしておくことも出来ませんし、鮮度という点ではどのエサもロスが多くなってしまいます。それこそ無駄ですよね。

 

たとえば刺し餌のオキアミ。こませ兼用でオキアミブロックから確保できるなら良いのですが、ブロックの状態によっては刺し餌にはチョット厳しいものもあります。そこで刺し餌専用のパックのオキアミを購入したりもするんですが、小さいパックだと途中で足らなくなる場合もありますし、大きいのだとかなり余ってしまう事も。釣りの終わりがけに残ってしまった割高なオキアミをコマセに混ぜてしまうのも何だかちょっと勿体無い気もしますよね。こんな時には半解凍の状態で小袋などにある程度の小分けにして、使わないであろう量は再度冷凍保存する方法もあります。小分けした例えばそのうちの2袋を持って行くのなら、片方は解かしながら、もう片方は保冷剤と抱き合わせてクーラーに入れておけば最後まで鮮度が保てますしロスも最小限でおさえられます。

でもいちいちそんな手間は面倒だと思うなら、くわせオキアミシリーズ等の最初から小分けしてあるタイプのものの方が全然便利です。普通の刺し餌レンガに比べれば価格は一見割高ですが、余ればまた使えますので実際はかえって経済的です。しかも酵母やアミノ酸などの効果も数ランクアップしてますので釣果への確率も間違いなくUPします。

 

でも、オキアミが殆ど通用しない時期もあります。もっぱら餌盗り天国となるこの時期、生タイプもボイルもほぼ瞬殺です。着水と同時に餌食になるのでやっぱ、オキアミ以外にも違うものを用意しておきたい(笑)。ではあるけれど経済的な観点からも出来るだけ効率良いものにしたい。だったらマジオススメなアイテムがコレです! ↓ 

これは最近、私自身もメッチャはまっているものでして、4分の3パックはコマセに配合しますが残りは刺し餌用に回します。

コーンとサナギがぎっしり詰まってますので本当に重宝するんです。別々に喰わせ餌を用意しなくても済みますし、これをコマセに混ぜ込んでおく訳ですからサシエとコマセが同調しやすくて違和感が全く無いんです。

もともとサナギは丸で刺し餌にするよりも2つ位に割ったものを2~3個付けた方が喰いが良いので、これは丁度それくらいにカットされてるのでいちいち割る手間もなくて良いのですよ、便利です!丸も入ってますから必要な時にはそれがサッと使えますしね。何しろその全てがサナギのミンチでコーティングされてるのがすごい!

コーンもサナギエキスをしっかり吸ってますし、コーン缶のものと比べると粒自体がグッと締まっている感じで針持ちも良く、取れにくいようです。なのでド遠投してもちぎれて抜けるような事もありません。

実際にこの2回、釣行時に比べてみました。現実的な数字ですが海と魚の状況は刻々と変化しますのであくまでも目安とお考え下さい。

使用したコーン ① 某国産有名メーカー製スイートコーン(ホール)缶  ② 激荒の中のコーン(ホール)

使用方法 1投ごとに①と②を交互に刺し餌にして投入する

条件 同じ釣り方、同じ仕掛け、同じコマセで同じ投入点、同じコマセワーク(状況により微妙に変化は有り)

回数 それぞれ20投

餌が齧られた又は餌が盗られた(魚が釣れたのを含む) ①15回 ②18回

ウキに当たりが出た ①5回 ②12回

魚が釣れた(本命、他魚含む) ①2回 ②8回

大きさ問わず本命の釣果 ①1枚 ② 4枚

ちなみに釣れた魚は、クロダイ5枚、ふぐ4匹、グレ1枚でした。この時の本命のサイズはいずれも24~28cmでしたが。

 

コーンだけを比べても、頭の中の既成概念や感覚的に感じてた事と、現実に出てきた数字との間にはコーンなにはっきりした開きがあるんだって事を身にしみて解りました(笑)。ホント、これを使わない理由が見当たりませんでしたよ。

 

それから今話題の刺し餌と言えばやっぱ練り餌です。これについては自作、購入と人によって様々ですが、本当に素晴らしい餌が出現したなぁ!って感心することしきりです。歯磨き粉みたいにチューブに入ってて、針にネチネチと回し付けていた草創期からすれば目を見張る進歩です。まず第一に残ってもまた次回に使用できますしかさばらない。使いがけでも密封できて劣化しにくい。状況に合わせて大きさを自分で調整できる。表層近くの餌盗り軍団の層を突破しやすい。そして何よりも本命がすき好んで捕食してくれる。コレです。中でも今最も多用しているのがコレ! ↓

「食い渋り」という言葉が物語っているように、食い渋りません(笑)。マジで喰う(((o(*゚▽゚*)o)))。

このところの釣行で上げたクロダイの殆ど(キープサイズ)はこれで来ました。粘度も他の練り餌より有るので餌持ちがいいようですから、餌盗りから受ける損傷も少ないままに本命の層まで落ちる確率がかなり高いようです。コーンもサナギもダメ!って時でも不思議と残ってくれるようです。途中で仕掛けを回収して餌の状況を確認しても、魚がかじった時に全部ポロっと取れてしまうんじゃないかと思ってましたが実はそうではなく、削られたような歯形が付いていたり一部がちぎられた様にはなっているものの、本体はしっかり針に残っていました。魚にやられない時もかなり長時間流しましたが、もう溶けて無いかも~って回収してみたら殆どそのままの状態で残って来て感動しました。(((o(*゚▽゚*)o)))

しかも落下速度も早いですし、比重もかなりデカイのかな?ウキの負荷も変えなきゃなんないのかなぁ?って思うのですがかなり大きめに付けてもビックリしちゃいますが、さほどダイレクトにウキに干渉するような事も有りません。勿論、自分が主に付ける大きさの分の負荷だけは最初から計算したタックルにしておく必要はありますけどね。私の場合練り餌対応としてはG5やG2負荷のウキが主流になりますが、パチンコ玉の大きさ程度で付けるならG5、もう少し大きく付けるならG2といった具合です。これで十分なんですが、もっとキッチリ調整したい方はタックルよりも餌の大きさで簡単に調節出来ますからその方が早くて簡単ですよ。

投入着水して、刺し餌が沈んで、仕掛けが馴染むとジワッとウキがしもって、ゆっくりユックリと沈んで行く位がベストです。残念ながら餌を取られてしまうとそれ以上沈んで行きませんし、逆にゆっくり浮き上がってきたりするので解り易いです。

 

低水温期と違ってまだ今は海の中、真夏ですからね。どんな餌でもすぐに盗られてしまう事が多いんですが、それだからこそいろんな餌を持って行くよりは私はこれだけで十分だと思っています。コマセと兼用で使う激荒、食い渋りイエロー、念の為のオキアミボイルひと握り又は食わせオキアミ半パック。

どうです?無駄のない経済的な餌使いでしょ?これでしっかり釣果がついてきますから毎回心から思いっきり楽しませてもらっています。

次回は「コマセのブレンド」をどう考えるかについて書いてみようと思います。ではでは~~(*゚▽゚*)/