所謂ところの浮きチヌについて その4

2013年10月16日 21:05

さぁ、いよいよ と言うかやっと(笑)本題の浮きチヌについてです。黒鯛はもともと根に着く魚と言われています。根に着くとは言いますが、ずっとそこに留まってる訳ではありません。確かに餌が豊富なのは沈み根や岩礁帯ですし、そこに生息する貝類や甲殻類、ゴカイなども豊富ですからそんな場所を好むのも当たり前です。でもそこを牛耳る恐いボスが居たり、群れの全員を満足させられる程の食糧には満たないのであれば当然、回遊してコマ目に餌を確保するしか有りません。ただ習性として結構臆病な面も持ち合わせているので、何か怖い想いをしたときすぐさま隠れられるように、天敵からも姿をなるべく見えないようにする為、こうした根伝いに移動することがとても都合良い訳です。これがきっと、黒鯛が「根に着く」と言われてきた元になっているのだと想います。

でもそれはどうかな(笑)。黒鯛のデカいのや、元気一杯のヤンチャな奴を掛けたときに解りますが、絶対と言って良いほど根に潜ったりはしません。根伝いには逃げますが、グレのように岩穴にダイレクトにエスケープしたりはしないのです。よくやり取りの最中に穴に潜られて張り付いて出て来ない!って言う方もありますがそれは多方黒鯛が潜った訳ではなく、糸が岩や海藻に巻いてしまったんだと思います。つまりは、グレはそんな根を住処にして暮らしているからなのに対し、黒鯛は完全な砂浜、渚とかでも釣れてしまう。そう、言うなれば根伝いに周辺を回遊して暮らす魚って事になりますね。

要するに撒餌さが効いてくると、砂浜や砂利底のようなあまり変化の無い場所であっても寄って来るって事です。え~っ?それならさっき言ってた「警戒心の強さ故、身を隠せるような場所を移動する」ってのと相反するんでないかい?って思うかも知れませんが、警戒心よりも食欲が勝ってしまえばあくまでもそっちに夢中になちゃうって事なのです。

てな訳で群れで回遊してきた黒鯛を釣っている時に、ポツポツと連発しては来るんだけど急に当たり方が変わってくる事があります。活発に餌を追っている筈なのに、その割にはメチャクチャ当たり方が渋いとか、喰いが浅くて合わせてもスッポ抜けが続出したりと。そんな経験有りませんか?(笑)

こうした症状が出始めたらまず、黒鯛の棚が一気に上がって来たと判断すべきです。そうです、私が変なオジサンです!じゃないよ、そうですこれが浮きチヌの状態なんです(笑)。やっと辿りついた本題ですが(笑)。

前にも書きましたが、底近くで落ちてくる餌を拾っていた黒鯛たちが段々我慢出来なくなって、餌にそそられて競争心が湧いてくるんですよ。だから我先にどんどん上へ上へと上がって来る状態でして、警戒心が極端に薄れている状況です。では何故当たり方が渋くなるんでしょうか?

その答えは、実は当たり方が渋くなってしまったのでは無くて、黒鯛が今喰ってる棚に合った仕掛けになってないんです。大抵の場合には仕掛けが長すぎるんです。つまり、最初は底近くを攻めていたのである程度の仕掛けの長さが必要ですが、棚自体が上がって来ると仕掛けが落ち着いた状況になる前に餌を喰ってる。それですよ、ここが大事。まだ仕掛けが弛んでいる間に当たってるって事になるので、スキッとした当たりが出にくい。ウキだけ見てると渋く思えますが実はその時点ではもう針を吐き出そうとしてるんですね。だから合わせを入れて仮に針に乗ったとしても、唇一枚だったりバラシたりする。釣れた黒鯛を回収した時に針が下顎に掛かってたり、口の中の皮に掛かっている時にはそれが一番わかり易い合図です。すぐさま仕掛けをいじって対応しないと、こんな事を繰り返しているうちに何だかおかしいぞ!って、せっかく忘れかけていた警戒心を呼び起こしてしまい兼ねません。そうなればせっかくの数釣りもオジャンになってしまう。

じゃぁどう素早く対応するか、そこですよね、知りたいのは(笑)。

一番手っ取り早いのはまず、仕掛けをピンピンに張ること!ウキが徐々にこっちに引かれて来る位に張って、刺し餌が有る棚を浅いままキープさせてやる事です。但し、撒餌さの煙幕の中ですよ、関係ないとこ引っ張ってきても意味なし。

もう一つはウキストッパーを下に下げて、具体的に仕掛けを短くする方法。ハリスの中にまで下げてしまっても良いのです。

但しこれにはリスクを伴います。ウキが投入される度に黒鯛のすぐ近くでバシャ!ピシャ!と大きな音がする、それが警戒心を引き起こす事にもなりますし、そんな大きな怖い音を出す物体が自分の頭上にいつも有るとなれば次第に警戒度が上がってしまうんです。餌盗りの状況にもよりますが、そんな時にはかなりずらした場所に仕掛けを入れて、そこからポイントに向かって仕掛けを引いて入れる方が良いでしょうね。

あとは撒くタイミングや量の調整、撒き方といったコマセワークです。誰しも喰いの良い状況になるとついつい多めに餌を入れてしまいがちですが、それでは「ほれ!とっとと喰ってとっとと行け!」って言ってるようなもの。黒鯛たちが「もうチョットない?おかわり無いの?」って位にあげるんですよ。

それから、驚かせないこと。大きな声を出したり、音を立てたり、大きな空合わせをしたり、うんうん、バラシたりね。このバラシがやっぱり効きますね。おっと!そう言えばこの事についても前に書きましたよね(笑)。それがヒント。

合わせもね、自信ないなら見送った方が賢明です。せっかく浮いてる状況になってるんですからその間はやり直せば良いのです。あえて驚かせる必要はありませんから。

これが浮きチヌ攻略法のさわりです。また書き連ねて行くあいだに様々な角度から掘り下げてみたいと思ってますよ。

では、またお楽しみに!(((o(*゚▽゚*)o)))