所謂ところの浮きチヌについて その2

2013年10月12日 22:40

釣り上げた黒鯛を捌いてみると、パンパンに膨らんだ胃袋の中には押し麦やコーンなどがギッシリ入っていて、さながらイカ飯状態になってる事が多いんですが、ユラユラと揺れながら落ちてくる餌に対してすごく執着する習性が浮き彫りになっています。集魚材はこうした生態をシッカリ研究してブレンドされている訳ですが、単純に魚を寄せるだけではダメで、やっぱ食い気を誘発する事こそが最も重要になります。酵母やフェロモン、バニラやニンニクなどの匂い成分が入っているのもそうした役目をしているからに他なりません。「腹減ったなぁ」って飲食店街に足が向いて人が集まって来るのですが、そこでやっぱりウナギやら焼き鳥、ニンニクの匂いなどがふわ~~っと流れて来ると「あぁ、もうだめ!」ってなるのと同じ(笑)。なので集魚材はケチってはいけないのです。ヌカや砂で様々にコマセを作る方も多いのですが、はっきり言って残念ながらその効果には雲泥の差が在るのです。本気で釣りたいなら、必需品なのであります。

そんな嬉しい集魚材ではありますが、釣具屋さんに行くとすごく沢山の種類が販売されている訳でして、どう選ぶか迷ってしまいませんか?集魚材の内容も確かに大切ではありますが、オイラの場合、最も重視するのは袋に記されている比重です。どの程度の水深でそのエサが拡散し易いかが問題なのです。単純に季節だけで考えるとすれば、水温が低い頃にはなかなか浮いてまで餌を追うような事は少ないので、底の方で食い気を誘う方が望ましい訳ですし、水温的に活性が出る時期であれば少しでも浮かせて釣る方が効率良いので、中層辺りまでで拡散するものを選びたい訳です。又、水温が安定しない頃ですと黒鯛も浮くのか浮かないのかも解らない訳なので、全層に漂うようなものを選ぶか、もしくは数種をブレンドする事で対応出来ます。全層釣りで攻める時にもこうしたエサ選びが正解になると思います。

浮かせて来るにしても、あれこれシュミレーションしてブレンドする事もあります。黒鯛を一度浮かせたら沈めないように足止めするため、軽い比重のものを足してバランス軸を上層に設定したり、底近くの黒鯛をやや上ずった棚に誘いたい場合には、中層にバランス軸をずらしたりします。

そして是非ともおすすめなのが、撒餌さを作る時には直に手で混ぜて頂きたい(笑)。え~~っ、マジでぇ!って思うかも知れませんが、これがまた慣れてしまうとすごくシビアに自分のコマセ状態を把握出来ちゃうんです。マゼラーなどを使うのはオイラの場合オキアミブロックを砕く、又はオキアミを刻むときだけ。そこから先は殆ど素手です。何故ならば、ハンバーグの生地みたいによく練って粘性を持たせたいとか、逆にトンカツの衣付けみたいに、オキアミにフワッと集魚成分をまぶしつけたい時など、素手でしかうまく調節出来ないことが多いからです。と言うのはバッカンの中に全く同じブレンドでも、こうして練り方を変えたコマセを2種類3種類とあらかじめ分けて用意する事も多いですし、集魚材のブレンドを少し変えたものを用意する事もあるからです。

粘度があればより遠投出来ますし、コマセが沈んで行くスピードも早くなります。パサパサに仕上げたものはよりユラユラとゆっくり落ちて行きますし、成分がより広範囲に拡散してくれます。全部を1度に混ぜてしまうと後からは修正できないんですよね。釣り場に到着して潮の状況を見て、良く動いてるのか遅いのか、水温はどんな感じか、濁ってるのか澄んでるのかで攻め方も当然変わるのですから、そこから推理したコマセをいくつか用意するととても重宝するって事なんです。

潮がよく動いているならばそれなりにコマセも流して行って沖で掛ける事も出てきますし、そうする為にはボテっと沈むコマセでは難しい。投入点から数十m流して喰ってくる事だってとても多いんです。でも次第に潮流が緩んできたらまた、喰ってくるポイントも変わってきますよね、コマセもまた同じままでは効果が薄くなちゃう。ではバッカン何個分も種類の違うコマセを用意出来るか?って言えばそれはNO!って事ですから、これが最善策なんですよ。せっかく高いお金を支払ってコマセを用意するんですから、最大限に有効活用しなきゃ無意味な出費です。もしかして、コマセを撒く事自体がステイタスになっちゃってるとか?養殖してるんじゃ無いんですから釣り上げましょうよ(<>O)

あらら、また長くなっちゃいました(笑)。この続きはまた、その3で書いてみたいと思います!(゚▽゚)